ソースってなに? 安全に、おいしく食べたい! 人類の文明は「ソース」とともに

スクロール

「ソース」の語源はラテン語の「salsus(サルスス=塩味の)」。記録に残る最古のソースとしては、紀元前・古代ローマ時代の「ガルム」という魚醤があります。食材を安全においしく食べたい!という人類の情熱が生み出してきた数々の「ソース」。今では甘いデザートまで含めて、料理に味わいと香りを加える仕上げの液体調味料を「ソース」と呼んでいます。

世界には、それぞれの食文化を反映したソースがいっぱいです。醤油も、マヨネーズも、タバスコも、カラメルも、みーんな「ソース」。でも日本で「ソース」と言う場合はちょっと特別。誰の脳裏にも「アレ」が思い浮かびますよね。野菜や果実のエキスに、砂糖や蜂蜜、香辛料が織りなすおなじみの味。そう!「ウスターソースとその一派」です。

大英帝国はなやかなりし頃…薬局の地下室で事件は起きた?

大英帝国はなやかなりし頃…
薬局の地下室で事件は起きた?

「イギリスには3つのソースと360の宗教がある。フランスには3つの宗教しかないが、360種ものソースがある」なんて皮肉ったのは、18~19世紀に活躍したフランス人政治家タレイラン。ところがどっこい、タレイラン亡きあとにイギリスに広まった新しいソースが「ウスターソース(正式にはウスターシャーソース)」でした。

ウスターソース誕生のいきさつには諸説ありますが、有力なのは、当時イギリスの支配下にあったインドからもたらされたレシピがベースになった、というもの。そのレシピを再現するよう依頼されたのが、ウスターシャー州にあったジョン・リーとウィリアム・ペリンスの薬局でしたが、レシピに従って調合した調味料は、刺激が強すぎてとても料理には使えず、樽のまま地下室に放置されてしまいます。しばらくたったある日、思い出して樽を開けてみると、ソースが発酵してまろやかに熟成していたのでびっくり。こうして1838年、初めて世に出た「リー&ペリン ウースターシャーソース」は大ヒットし、ヨーロッパ中に広まったと言われています。

TOPに戻る

日本人と「ソース」