日本人と「ソース」 文明開化がもたらした、舶来の「欧風醤油」

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日本にウスターソースが伝わったのは、明治維新の頃。明治5年の料理書「西洋料理指南」には、ウスターソースについて「醤油ナリ。此品ハ我國ニ有セズ我醤油ヨリ上品トス(醤油のようだが、日本の醤油より上等である)」と書かれています。当時の日本人にとってウスターソースとは、いわばしゃれた「欧風醤油」??ケチャップやマヨネーズよりずっと早く普及したのは、そんな親しみやすさが味方したのかもしれません。

昭和の庶民グルメが育てた、日本オリジナルのソースファミリー

昭和の庶民グルメが育てた、
日本オリジナルのソースファミリー

昭和に入ると、お好み焼きの原型である「一銭洋食(水で溶いた小麦粉にねぎなどをのせて焼き、ウスターソースを塗ったもの)」が流行。ソースがかかっていればなんでも洋食と呼ばれた時代らしいネーミングです。そして戦後、ソースを使った料理がポピュラーになるにつれ、ソースのバリエーションも増えていきます。サラッとして塩味が強めの「ウスターソース」、とろみも塩味も中ぐらいの「中濃ソース」、とろっと濃くフルーティな「濃厚ソース」。それらを料理に合わせて使い分ける時代となり、「ウスターソースとその一派」はわが国の調味料界の一大勢力となったのです。

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ソースって何?